役所への手続


人が亡くなった際、遺族はどのような手続を行う必要があるのでしょうか。
葬儀社が行ってくれる範囲と、遺族側で行わなければならない行為について解説します。
必ず行う手続

人が亡くなった際には、様々な手続が必要になります。
手続には必須なものと任意のものがありますので、予めチェックしておきましょう。
死亡届の提出

人が亡くなった場合には、死亡を知った日から7日以内に管轄の市区町村に対して「死亡届」を提出しなくてはなりません。病院で貰った「死亡診断書」と「届出人の印鑑」があれば提出が可能です。基本的には親族が行いますが、同居人や内縁の妻等の関係者でも行うことができます。また、亡くなった方が世帯主であった場合、世帯主変更届も併せて行ってください。
火葬許可の申請

死亡届の提出と同時に行います。市区町村によって申請方法が異なりますが、火葬許可の所定の申請書に記入するだけで完了します。
埋葬許可の申請

墓地に埋葬(納骨)するために、「埋葬許可証」が必要になります。遺骨は勝手に処分すると死体遺棄という犯罪になってしまいますので、必ず許可を受けてください。火葬が終わると、火葬場より許可証が公布されます。
状況に応じて行うもの
亡くなった方の年齢や状況に応じて、以下の手続を行う必要があります。
年金・保険手続

年金を受給していた方が亡くなった場合、当然ですが年金の受給権も消滅しますので、年金事務所に対して死亡した旨を届け出る必要があります。また、健康保険によっては一時給付金・葬祭費・埋葬料の請求が行える場合がありますので、これらも併せて行いましょう。
相続税の申告

一定の財産があった場合、死亡から10か月以内に国に対して相続税を納めなければなりません。死亡保険金も財産に含まれますので、不動産や保険金があった場合には事前に税務署や税理士に相談しましょう。
不動産や会社の登記

会社の役員(取締役や社員等)になっていた場合、会社の登記簿に同人の名前が載っておりますので、変更する必要があります。また、亡くなっていた方が不動産を所有していた場合、こちらも同様に名義変更手続を行います。登記は自身で行うこともできますので、法務局の無料相談窓口等を有効活用すると良いでしょう。
その他の手続
公的機関以外にも、行わなければならない手続は数多く存在しています。
例えば、銀行口座は人が亡くなった際に凍結されてしまうため、当面の生活費や葬儀費用を確保しておきたい場合には事前に引き出しておく必要があります。
既にお亡くなりになっている場合には、相続人であることを証明しなければ預金の引き出しや解約を行えません。
葬儀社は手続を代行してくれる?

葬儀社の中には、死亡届の書き方や手続を分かりやすく教えてくれる葬儀社もいます。
ですが、これらの手続は「弁護士」「司法書士」「税理士」「行政書士」といった特別な資格を持っていなければ行うことが出来ないので、原則として葬儀社が手続を代行又は代理することはありません。
ただし、民間企業に対して行う手続の場合には委任状等で対応して貰えるケースもありますので、事前に確認しておくとよいでしょう。
また、特定の宗教を専門に行う葬儀社の場合には前述した資格者でも知り得ない特別な知識が必要になるため、葬儀社に任せてしまった方がスムーズな場合もあります。
海外に埋葬する場合
例えば、海外に埋葬する場合や散骨する場合には、当該国の「埋葬許可証」や、飛行機で運ぶための「遺骨証明書」等が別途必要になります。
これらは領事館に足を運び、所定の申請方法にて行う必要がありますので、葬儀社や専門家(弁護士や行政書士)に事前に確認しておくのが望ましいです。
専門の葬儀社であれば、これらの対応も行ってもらえるケースがありますので、予めどこまで対応して貰えるかも併せて確認しておきましょう。