費用相場

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葬儀費用は、種類や規模によって大きく異なります。各葬儀の費用相場や費用を負担するのは誰なのか、予算内に抑える方法等についてプロに解説していただきました。

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解説者プロフィール

葬儀社「O」代表 植松氏
三代に亘って葬儀社を経営する葬儀に関するプロフェッショナル。家族葬・直葬・生前葬といった“葬儀の多様化”にいち早く対応すべく、日夜研究を行っています。同氏が経営する葬儀社も近年のニーズに対応すべく、小規模から大規模まで幅広いプランを取り扱っています。

葬儀費用の相場

葬儀相場を調べる男性

一般葬、家族葬(オーダー葬儀)、社葬、直葬等…葬儀は現在様々な方法が存在しています。
各葬儀の見積り内訳の例や、相場について葬儀社に確認したところ以下の通りとなりました。

ケース①~一般葬の費用内訳

一般的な葬儀(所謂「一般葬」)の場合、斎場や霊柩車のレンタル、火葬、参列者への飲食、供花等の費用が掛かります。費用内訳と平均額は以下の通りです。

名称 数量 価格
葬儀費 祭壇(白木祭壇) 一式 500,000円
祭壇花(親族一同花含む) 一式 50,000円
御棺(布張棺) 1個 80,000円
遺影写真(額縁含む) 1個 30,000円
エンバーミング 1回 150,000円
ドライアイス 10kg 10,000円
骨壺 1個 10,000円
霊柩車(自宅-斎場) 15km 50,000円
バスレンタル費 15km 75,000円
お食事費 30個 60,000円
御礼状費 100枚 30,000円
火葬費 一式 50,000円
小計 1,095,000円
寺院費 読経料 1回 350,000円
埋葬費(代行含む) 一式 75,000円
小計 425,000円
葬儀+寺院費用合計(税込)1,520,000円
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一般葬の平均費用は200万円弱と言われていますが、地域の習慣や葬儀規模によっても大きく異なります。
なお、弊社は他の葬儀社に比べてかなり費用を安く設定しておりますが、それでも一般葬平均額が120万円前後ですので、前述した葬儀社やマスコミが発表する平均値は実態よりも高いと考えます。
(根拠はある葬儀社が行ったアンケートが基のようです。)目安としては、葬儀費用が50~150万円飲食費用が弔問客お1人辺り3~5千円寺院費用(読経料等)が30~50万円程計100~200万円が相場ではないでしょうか。

ケース②~家族葬の費用例

「小さなお葬式」をテーマにした内容がほとんどの家族葬ですが、故人の趣味をコンセプトにしたオーダーメイド式を依頼するご遺族も増えています。家族葬の平均的な費用の内訳は以下の通りです。

名称 数量 価格
葬儀費 祭壇(花祭壇) 一式 200,000円
祭壇花(親族一同花含む) 一式 15,000円
御棺(エコ棺) 1個 50,000円
遺影写真(額縁含む) 1個 30,000円
ドライアイス  10kg 10,000円
骨壺 1個 10,000円
火葬費 一式 50,000円
小計 365,000円
寺院費 読経料 1回 250,000円
埋葬費(代行含む) 一式 75,000円
小計 325,000円
葬儀+寺院費用合計(税込)690,000円
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葬儀費用に最も差が出やすいのが家族葬の特徴ではないかと存じます。
例えば、シンプルな家族葬であれば30~50万円程で済みますし、故人やご遺族の希望に沿う形のお葬式(オーダーメイド葬式)であれば100万円以上掛かってしまう場合もございます。
ただし、飲食費用は原則として掛かりませんので、費用は一般葬の1/2~1/3程となることがほとんどです。また、お香典返しや弔問客対応が不要であるため、後日に別途費用や手間が掛からない点も家族葬の魅力と言えます。

ケース③~社葬を挙げる際の費用

社葬は、会社から見ると「広報活動」に当たります。葬儀の規模に応じて費用は異なりますが、会社のスタッフ・取引先までもが参列するため、一般葬の2~3倍のキャパシティが必要です。

名称 数量 価格
葬儀費 祭壇(白木+生花祭壇) 一式 1,200,000円
祭壇花及び供花 一式 300,000円
御棺(桐棺三面彫刻) 1個 250,000円
遺影写真(額縁含む) 1個 30,000円
エンバーミング 1回 150,000円
ドライアイス 30kg 30,000円
骨壺 1個 20,000円
霊柩車(自宅-斎場) 15km 50,000円
バスレンタル費(3台) 15km*3 225,000円
お食事費 150個 450,000円
御礼状費 300枚 90,000円
小計 2,795,000円
寺院費 読経料 1回 350,000円
埋葬費(代行含む) 一式 75,000円
小計 425,000円
葬儀+寺院費用合計(税込)3,220,000円
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社葬の場合、取引先の弔問客を含めますと、一度に100~200人程が入れる斎場を確保しなければなりません。
また、式後は飲食・接待が行われることがほとんどですので、その分の費用も掛かります。遠方から参列された場合でも交通費等を出さないのがお葬式の習慣ですが、駅までの送り迎えや食事のお店への移動の手配を行う可能性がありますので人員と車両の確保も視野に入れておきましょう。後日のお香典返しやお礼等を含めますと、約300万円の費用が必要となります。

ケース④~直葬の費用相場

葬儀を行わず、直接火葬場にて簡易のお別れ会を行い、そのまま火葬してもらう方式を「直葬」または「火葬式」と呼びます。費用や手間がほぼ掛かりませんので、生前に既にお別れを済ませている場合等にマッチするお葬式です。

名称 数量 価格
葬儀費 御棺(エコ棺) 1個 50,000円
遺影写真(額縁含む) 1個 30,000円
ドライアイス 10kg 10,000円
火葬費 一式 50,000円
小計 140,000円
寺院費 埋葬費(代行含む) 一式 75,000円
小計 75,000円
葬儀+寺院費用合計(税込)215,000円
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直葬は、葬儀そのものを故人が望んでいないケースや身寄りがいない又はほとんどいない(配偶者や子だけ)場合に選ばれています。また、条件を満たせば市区町村から補助金がでるため、「無料」で行えるケースもあります。
葬儀社によってはこれらの申請までを承っているため、予算を抑えたい場合にマッチする葬儀と言えるでしょう。

葬儀費用は誰が負担すべき?

葬儀の費用負担は誰がする?

葬儀費用の負担については、法律上の定めがありません。
そのため、故人の財産(遺産)から支払うのが一般的ですが、その分の現金がない場合には遺族が負担するのが慣例となっています。
しかしながら、葬儀費用は時には数百万円にも及ぶ可能性がありますので、相続人の間でトラブルに発展してしまうケースも珍しくありません。
これらのトラブルを防ぐ方法としては、以下の3点が有効です。

予め契約しておく

葬儀費用が多額になると予想される場合、本人が予め葬儀社と契約をしておく事も可能です。この場合、故人が生前有していた財産から葬儀費用が賄われますので、相続人が自己の財産から支出する必要がありません。

遺言で負担割合を明記しておく

遺言は、分かりやすく言うと「残された財産をどのように分けるか」を記したものです。
財産の分割方法の他、葬儀費用の支払方法や負担割合(葬儀費用や債務等は○○銀行の口座から支払い、残った預金は長男○○に相続させる等)を記載しておく事も可能です。

大きなお葬式が良いとは限らない

家族葬を望むファミリー

故人がどのようなお葬式を望むか?
が最も重要なのは言うまでもありませんが、残されたご遺族に多大な負担を掛けるべきではありませんし、故人も決してそのような事態は望まないでしょう。
多くの仏教宗派が「葬儀は供養ではなく、生前お付き合いがあった人達とのお別れ会」という見解を示しておりますので、“葬儀が簡易=成仏が出来ない”という訳ではありません。
故人・遺族双方が笑顔でお別れするために、決して無理のないプランにて執り行うようにしてください。