お墓の準備と費用相場

お墓に関する基礎知識を総まとめ お墓に関する基礎知識を総まとめ

仏教(浄土真宗を除く)では、死後四十九日目に死者の来世が決定すると考えられており、当該法要をもって遺骨はお墓へと納められます。
当ページでは、お墓を準備する際に知っておきたい知識について解説したいと思います。

お墓を使用する権利

“お墓を買う”という言葉は良く耳にするところかと思いますが、実際には何を購入しているのでしょうか。お墓を建てる際、具体的には

①お墓に使用する石
②墓地を使用する権利

の2つが必要になります。

①は、文字通り墓標として使用するための所謂“墓石”のことです。
原則としてお寺では墓石を販売することがありませんので、専門の石屋さんに注文するか、自身で用意しなければなりません。
②は、墓地の使用権のことで、正式には“永代使用権”といいます。
なお、「永代使用権」という権利は民法上の規定にはありませんので、墓地に限定した特別な権利であると解釈されています。

費用相場

お墓を準備する際、概ね以下の通りの費用が掛かります。

墓石
墓石1個の費用を解説

墓石は、1枚岩を削って作られるため非常に高額です。
一般的な墓地のサイズですと50~200万円ほどが相場であり、オーダーメイドの場合ですと更に上乗せされます。
また、石の販売価格に加え「工事費」「配送料」「家紋・名入れ」等が別途掛かってしまうこともありますので、事前にしっかりと確認しておきましょう。
悪質業者ですと、石の価格のみを提示しこれら別料金分を明示しない場合があります。

永代使用権
永代使用権の料金は高額

東京23区の場合ですと永代使用権だけで1㎡辺り120万円前後ものお金が掛かります。
有名な墓地は更に高くなり、例えば「青山霊園」の場合ですと、1.6㎡の面積でなんと437.6万円もの利用料が必要です。(1㎡辺り274万円)
大きさは1.5~2.0㎡が一般的ですが、23区ですと0.2㎡(45㎝四方)という非常に小さなお墓もあります。
なお、東京23区外・神奈川県・千葉県・埼玉県等の東京近郊の場合は1㎡辺り20~50万円とピンキリです。

墓地の管理者

墓地の運営団体にはいくつかの種類があります。
大きく分けますと「寺院」「民営」「公営」の3つがあり、それぞれで特徴が異なります。

寺院墓地 宗教上の縛りが強く自由度が低い
法要の際に僧侶を派遣しなくても良い
民営墓地 民間企業又は宗教団体が運営する墓地
宗派に捉われず広く利用者を募っており、自由度が高い墓地
公営墓地 国や地方公共団体が運営する墓地
基本的には当該都道府県・市区町村に住んでいる必要があるが、上記2種に比べて安価

もちろん故人の意向に沿うのが望ましいですが、予算に折り合いが付かない場合には地方公共団体が運営する「公営墓地」を選んでも良いかもしれません。
ただし、こちらは抽選となっておりますので“予め申し込んでおく”又は“当選するまで納骨を待つ”のいずれかを選択する必要があります。

既にお墓がある場合も注意

すでにお墓がある場合注意したい点とは

もちろん既にお墓がある場合にはこれらの問題は発生しません。
ただし、従来あったお墓でも、
「お墓が遠すぎて中々いけない」
「お墓を建て直したい」
「改宗によって移動したい」
といったような“後発的な事情”により、新たに取得する可能性は十分に考えられます。
思考・宗教・生活スタイルがより自由になったことで、先祖代々続くお墓が存在したとしても、自身又は故人がそのお墓に入るとは限りません。

葬儀社に相談するのも可

お墓について葬儀社に相談する夫婦

葬儀とお墓は密接な関係にありますので、提携しているケースがほとんどです。
そのため、葬儀社にお墓業者を紹介してもらい、葬儀とお墓を一挙に準備することも可能です。
紹介の利点としては、葬儀社側としても悪質な業者を紹介する訳にはいかないため信頼性が高い、料金をディスカウントして貰える可能性がある、といったところでしょうか。
ただし、紹介されたお墓業者が「宗教」「価格」「対応墓地」で必ずしもマッチするとは限りませんので、業者に全てを任せずに自身でもしっかりと探すようにしましょう。
お墓は100年以上利用する可能性がある買い物ですので、しっかりと妥協せずに選ぶことをおすすめいたします。