葬式での香典マナー

葬式での香典マナーまとめ 葬式での香典マナーまとめ

葬式での香典マナーを深く掘り下げていくと、宗派による違いなど細かいルールが存在します。

しかし、親戚関係でよほど宗教にこだわりが強い喪主および故人の場合を除いて完璧な香典の渡し方をする必要はなく、最低限の一般常識を守っていれば問題ありません。
こちらでは、最低限知っておきたい葬式での香典マナーと、完璧を求める人に向けたより丁寧な香典の渡し方をまとめました。

香典の基本ルール

香典を渡す男性の手元

「香典」とは、支社の霊前にそなえる金品のことを指し、「香料」と呼ばれることもあります。
なぜ「香」という文字が付くのかというと、香やお線香の代わりとして備えるという意味からきています。

香典の基礎知識

以下は、香典を渡す際の基礎知識をまとめたものです。

● 専用の香典袋を用意する (本来は宗派によって分ける)
● 一般的に通夜や告別式などの受付で渡す
● 喪主側や受付側が忙しそうな場合は、後で渡してもいい (場合によってはセレモニーが終わって落ち着いたタイミングで渡した方がいいことも)
● 住所や金額は縦書き (住所の番地は漢字)
● 金額は「金→旧字体の数字・円(圓)で記載する (例「金伍阡圓」、「金壱萬圓」)
● 連名表記は3名まで (4名以上は代表者名と外一同)
● 連名3名の場合は真ん中に一番目上の人を書く
● お札は裏向きに揃えて入れる

金額については、「五千円」など簡単な表記でも大きなマナー違反にはなりません。
ただし、「123」などの英数字は使わないようにしましょう。(宗派によっては問題ないところもあります)

香典を渡すタイミングに決まったルールはなく、突然決まるお葬式では、香典の用意をするよりも早く駆けつけることが大切な場面もあります。
時間がない場合は香典なしでも葬儀場に早く足を運ぶようにしましょう。
通夜で香典を渡さなくても告別式で渡せばマナー違反にはならず、お葬式が終わって後日渡せば大丈夫です。

よくある軽微なマナー違反

見落としがちなマナー違反をまとめました。

・ 新札を使う
・ 内袋に住所や金額を書く際にボールペンを使う
香典袋に書く文字で黒以外を使う (※)
渡した金額が少ないと感じて後から追加で渡す (※)
・ 自分の宗派のやり方で渡す(故人の宗教が分からないのに仏教・仏式以外の形式にする)
※は特にやってはいけないマナー違反です。

上記の5つのマナー違反で一番やってはいけないのが、周囲に比べて香典に入れたお金が少なかったことに気付いて追加で渡すことです。
2回に分けて香典を渡す行為は不幸を続ける意味として捉えられるので絶対にやってはいけません。
仮に千円しか包まなかった場合でも、追加で1万円渡すよりも千円のまま追加で渡さない方がマシです。

基礎知識で紹介した、お札の入れる向きなどは、受け取る側がそこまでチェックしていることはありません。
よくあるミスで多いのがボールペンを使ってしまうことです。
香典袋は本来、薄墨を使うルールがあり、薄墨や筆がない場合でも筆ペンなどを活用するものです。

しかし、普段から筆を使い慣れていない人は見栄えの良い文字を書くのが困難です。
この場合、若干のマナー違反にはなりますが、黒のサインペンを使うようにしましょう。
なお、一般的には内袋の住所などはサインペンでよく、外袋はなるべく筆を使って書くことが望ましいです。
書く場所が狭い場合や、サインペン・筆ペンを持っていない場合でもボールペンを使うと目を引くマナー違反になってしまうので、コンビニでサインペンを買うなどして対処してください。

香典の相場

香典袋に入ったお金

香典に入れるお金は、渡す人の年齢と故人との関係性によって変わってきます。一般的な相場は以下の通りです。

故人との関係 20代 30代 40代 50代 60代
親族以外 5千円~ 5千円~ 1万円~ 1万円~ 1万円~
親(※) 5万円~ 5万円~ 5~10万円 5~10万円 10万円~
兄弟・姉妹 1万円~ 3万円~ 5万円~ 5万円~ 5~10万円
その他の親戚 5千円~ 1万円~ 1万円~ 1万円~ 1万円~

※故人との関係が親の場合は、喪主が兄弟や親になることが多いので、喪主と相談してください。

上記はあくまでも一例で、年齢や故人との関係性によって変わってきます。
包む金額を相場の中で低めにするか高めにするかは、独身と既婚によっても変わってきます。
既婚者は独立した人として親族からも見られるので、極端に少ない金額は避けましょう。
親族の場合は、喪主や喪主の兄弟など近い存在の人と連絡を取れるのであれば、いくら包むのか直接相談しても問題ありません。

また、親族同士で香典の金額を相談して、みんなで同じ金額に合わせるということもできます。
親族以外の場合は最低5千円を包めば問題ありませんが、会社の部下に不幸があった場合は上司が多めに包むなど、故人との生前の関係が目上にあたる場合は、少し多めに包むことが望ましいです。

家族葬では香典を渡さない?

家族葬に駆け付けた女性

家族葬では、喪主から香典の受取辞退の連絡がなくても渡さない選択をするのが一般的です。
不安があれば、とりあえず香典袋を用意しておいて、当日の受取で他の人が香典を渡しているか確認して判断するとよいでしょう。

家族葬に参列する場合は、訃報や葬式の案内、葬式の受付などで香典の受取辞退の記載や情報がないかしっかり確認してください。
それでも不安がある場合は、受付で用意した香典袋を渡して受付の方の反応を見るとよいでしょう。
万一、香典の受取辞退だと言われた場合は、「いやいや、気持ちですので…」などと強引に渡そうとするのはマナー違反です。
受取辞退をされた場合はすぐに香典袋をしまうのが正しいマナーです。