病院紹介の葬儀屋に注意


現在は病院で8割の方が最後を迎えていると言われています。病院で亡くなった場合、ご遺体は院内の慰安所に保管されますが数時間しか利用することは出来ません。
早いうちに搬送をしなくてはいけませんので葬儀社が決まっていない場合は病院から紹介を受けるケースもあります。
実は葬儀社と病院は提携しているわけではなく、ただの仲介にすぎないのです。病院も遺体を早く搬送してほしいので、葬儀社の存在はありがたく、積極的に紹介します。
しかし、そのような葬儀社選びはイチかバチかのバクチをうっているようなもの。適切な対応をしてくれるか、故人に合った葬式が出来るのか、病院側は保証していないのです。
このページでは病院の紹介で葬儀社を選ぶリスクと実際の体験談を掘り下げてご紹介いたします。
費用が高くなる
病院からの紹介で葬儀社を利用した場合、通常よりも割高になる場合が多いです。
それは病院への紹介料が上乗せ料とスタッフの人件費が含まれているためと言われています。
また、急な事態でご親族は冷静に判断できないと思われてしまうといいカモにされてしまうことも。「故人様が喜ぶから」と高額な式へと変更させたり、見積額から実際の費用が大幅に変わったりするケースもあるので注意しましょう。
悪徳業者にあたる可能性も
葬儀の悪徳業者は利益を優先させ、手荒な対応をします。
契約を早く取ろうとせかす態度を見せ、見積の提示を嫌がったり、急に態度が変わったり不信に感じることがある業者も存在します。料金システムが不明確でむりやりオプションを付けさせようとすることも。
また、「病院指定の葬儀社」と言って絶対に利用しなくてはいけないと思わせてくるかもしれませんが、上記にある通り病院はただ仲介をしているだけです。
病院の紹介で利用をしてしまった事例

5年前、70歳の父が心不全で他界しました。幸い、看取ることはできましたが、目立って悪いところもなく突然亡くなってしまったので葬儀のことなんて何も準備していませんでした。
病院で亡くなったら、なるべく早く安置所へ連れて行かなくてはいけないのですね。
悲しい気持ちよりも「早く葬儀社を決めなくては」とこれからの心配で気が動揺してしまって…。
一人っ子で父子家庭だった私は誰にも相談できず、焦って病院に紹介された葬儀社を選んでしまったのです。もっと良く考えて選ぶべきだとは思っていましたが、病院からの紹介なら大丈夫だろうと思って。
無事葬儀の日取りも決まり、ほっとしていたのもつかの間でした。葬儀社からもらった見積は何と190万。普通の葬式にしては高過ぎる金額にびっくり、やっぱり事前に葬儀社を決めておくべきでした。

あれは妻の葬式での事。生前から看護師さんに良くしてもらったこともあり、病院からの紹介で葬儀社を選びました。葬儀はどこでやっても同じだから適当で大丈夫だろうと高をくくっていたのが間違いでした。
葬式当日。
告別式の料理も足りず、段取りを聞くとうやむやにごまかされ、参列者にも投げやりな態度を取る葬儀社のスタッフ。最後の別れだというのに悲しみに浸るどころか最悪な気分でした。
妻を偲んで集まってくれた仲間や親族に大変申し訳なく、ただただ後悔しています。
事前の準備が大切

やはり焦りや、安易な気持ちで選んでしまったのが良くなかったようですね。病院の紹介であろうと、きっぱり断る姿勢が大事です。葬儀社を決められなかった場合は病院からの搬送と処置だけを依頼し、その後じっくりと探すことも可能です。
とはいえ、亡くなってから冷静に対処することは難しいことです。
故人の最後を納得のいくかたちで見送りをしたい気持ちを叶えるのであれば「死ぬ前からそんなことを決めるなんて不謹慎だ」と敬遠せず、早い時期から葬儀社を選び、葬儀内容を決めてもしもの時に備えておくことをお勧めします。