誰が何を相続するか決める必要がある

不動産を相続するイメージ 不動産を相続するイメージ・スマホ用

不動産には土地や建物があり、複数の不動産を所有している故人が亡くなった場合は"誰が何を相続するか"を決定しなくてはなりません
仮に不動産の数を上回る数の親族が相続人として財産引き継ぐ場合には、各人に適切に配分する必要があるでしょう。

しかし、不動産は現金や有価証券のように簡単に切り離して分割することは出来ません。
そのため、相続時の手続きの一環として用いられる特定の"分割方法"にしたがって、誰がどのくらいの金額に値する財産を相続するのか、最初に決定する必要があります。

不動産相続に纏わる5つの分割

不動産相続の5つの分割方法

複数人で1つ、もしくは複数の不動産を分割する場合は自分がどのくらいの割合で相続を受けることができるのか知っておく必要があります。
まずは、不動産の相続に関する遺言があるか確かめ、遺言がある場合はその内容に従って財産を分割する指定分割を行いましょう。

もし遺言による分割が行わなければ協議分割という形で、財産の分割に係ることになった相続人全員でどのように財産を振り分けていくか協議を始めることになります。
指定分割か協議分割のどちらかの方針を決めた後、更に具体的な財産の行方を決めるために用いられるのが以下の3つの方法です。

現物分割

「現物分割」は、財産が複数あった場合に、それぞれの財産について誰が引き受けるか決定することで分割する方法です。
もっとも一般的な手段ですが、財産の価値に差が出ることで相続人の中から不満が生まれる可能性も秘めています。

換価分割

「換価分割」は、不動産をそのままの形で相続するのではなく、分割しやすいように全て現金などの資産に変えてから各相続人に振り分ける分割方式です。
現物分割の問題点であった平等性は保つことが出来ますが、居住者がいる不動産が相続対象だった場合の税金や生活の諸問題が発生する点に課題が残る分割方法になります。

代償分割

「代償分割」は、不動産の数が相続人の数より少ない場合に用いられることがある分割方法で、特定の相続人が不動産を取得することとし、不動産を取得した相続人から他の相続人に対して"相続額相当の現金(もしくは不動産等)を代わりに支払う"という分割方法です。

不動産を受け取ったら登記手続きを行う

不動産登記権利情報

不動産の分割が終われば、相続税の申告を確定させた後に故人名義だった不動産を自分の名義に変更する相続登記を行うことが可能です。
手続きは法務局で行うものになります。

登記は、相続税の申告と異なり期限を設けられているものではありませんが、先延ばしにしてしまうと不動産が売却できなくなったり後の登記費用は高額になったりとったデメリットが生じます。
なるべく早いうちに所在を確かなものにしておきましょう。

不動産相続独特の費用もかかる

不動産を相続する場合は、現金の相続と異なり登記が必要になります。
それにあたっては、

  • 登録免許税
  • 登記事項証明書
  • 戸籍謄本
  • 印鑑証明書
  • 住民票の写し

などが必要になるでしょう。

また、作業は複雑なために専門家に依頼することも視野に入れると良いとされます。
登記関係を専門としているのは"司法書士"で、相続登記を代行してもらうと5万円~8万円程度の報酬費用がかかりますので、もし資金に余裕があれば全て一任してしまうのも1つの方法です。

不動産を受け取ったら登記手続きを行う

不動産相続においては「登記」という特別な手続きがありますが、相続税の計算や、財産分割の考え方はすべての相続財産と基本の部分は変わりません。
しかしながら、相続の手続きには不測の事態がつきものです。
事前に手順やお金の流れを理解しておくことが、不動産相続で良い結果を残すために大切なのではないでしょうか。