エンディングノートとは

エンディングノートのイメージ エンディングノートのイメージ

「エンディングノート」とは、人生の終わり方をデザインするためのノートです。
"○歳の頃に~をする(した)"や"自分の最後はこのようにありたい"といったことを記載するとされていますが、内容や書き方に特定のテンプレートは存在せず、好きなタイミングで好きなように人生の物語を記述していくノートになります。

それでもあえて目的を定めてエンディングノートを記述していくのならば、映画館で最後に流れるエンドロールのように、それまでの「人生の出演者に感謝の意」と「残された遺族の苦労を和らげる」のための情報を残すノートにするとよいでしょう。

ノートの使い方と注意点

エンディングノートの使いみちは「プロフィール」や「自分の年表」「残されている財産の種類」を書き留めておく事とされているため、ノートの形式に拘る必要はありません。
ちょっと高級なノートを使う人もいれば、文書ソフトやアプリケーションを利用してデジタル上に残す人もいます。

また、エンディングノートには葬儀や介護などで具体的にどのような扱いをしてほしいか書かれている場合もあります。
そのため普段は見られないように、なおかつ自分に万が一のことが遭っても家族がエンディングノートを参考にして行動できるようにある程度は見つけられる範囲で保管する必要があります。

保管場所はあらかじめ伝えておく

物を保管する箪笥

保管場所はどこでも構いませんが、いざという時に家族が見つけて読むことが出来る場所にしておきたいので、パスワードが設定されているパソコンやスマホなどに記録することは出来るだけ避けましょう。
また、家族にいらぬ心配をかけないようにも「書いている事実を告げておく」上で「普段は保管場所に触らないように伝える」ことで、対策を講じることがおすすめです。

遺言書と同じものではない

遺言書のイメージ

「遺言書」とは、自身が死亡したときの「財産の在り方」や「相続の割合を指定する」といった、遺産に関する決め事を記した書物になります。
15歳以上で遺言を書く程度の意思能力があれば誰でも書くことが出来るもので、エンディングノートとは全く別物と言えるでしょう。

その大きな違いは法的効力の有無になります。
遺言書は"遺言という法律行為"について記した書物です。
遺言書には3種類ほどの異なるタイプが設定されており、その効力を示すためには「家庭裁判所の検認を受ける」または「公証人の立ち会いのもとで記述する」もしくはその両方を行う必要があります。

一方で、エンディングノートには法的効力はなくあくまで「お願い」や「本人の理想」「自身の振り返り」といったニュアンスの内容を書き留めておくノートになります。
相続に纏わることに触れたとしてもエンディングノートそのものが何かを決定することはできないので、遺言は遺言書として改めて作成しなければならない点に注意しましょう。

遺書とも異なる効力を示す

遺書のイメージ

また、遺言書よりエンディングノートに近いものに「遺書」というものがあります。
遺書は、死を予感した際に記すもので「自分の気持ちや家族へのメッセージ」を残した記した自己申告書になります。

エンディングノートは自らのこれまでとこれからを連続して記した"記録"のような役割を果たすため、両者は目的に応じて使い分けることが出来るでしょう。

効力が無いからこそ本当の自分が映される

エンディングノートの中身

エンディングノートは人生を振り返って終わり方の理想を記すためのノートです。
法的効力を発揮することはできませんが"どんな形で残してもエンディングノートとして機能する"ことがメリットとなるため、早いうちから行える終活の1つとして、人生の大切な記録を書き溜めておくとよいのではないでしょうか。