デジタル遺品整理とは


「デジタル遺品」とは、亡くなった人が生前に所有していたパソコンやスマートフォン、タブレットなどのデジタル端末の中に残されている重要な情報や、価値ある資産のことを指します。
デジタル遺品の多くは、IDやパスワードが分からないために、そのまま廃棄処分してしまうしかないと諦められていました。
しかし、中には"大切な写真"や"口座の情報"などが収められていることもあるため、適切な扱いをすることが求められています。
それらの手続きを総称して「デジタル遺品整理」と呼ばれているのです。
デジタル遺品整理の重要性と危険性

故人が亡くなって時が止まったように感じる遺品ですが、電子の世界では大切な故人のデータが今でも生き続けています。
放置すれば悪いことに利用されてしまうこともある上に、適切な対応を行わなければ以下のような危険性を伴うことになるのです。
SNSアカウント乗っ取り
故人が利用していたSNSアカウントの情報は基本的に故人しか知らないもので、亡くなった後も他人が気軽に操作できるものではありません。
しかし、だからといってSNSアカウントを放置しておくと、悪意を持った第三者にアカウントを奪われて悪用されてしまう恐れがあります。
故人の悪い評判を流されることもあれば、クレジットカードが紐付けられているアカウントが乗っ取られてしまえば金銭的な被害が及ぶことになるため、遺品整理の段階で適切な処理を行う必要があるでしょう。
有料サイトの引き落とし
近年では1つの有料動画配信サイトが世界で1億5,000万人との契約を結んでいると話題になりました。
日本国内においても動画配信サイトだけで1,000万人を超える人が有料サービスに契約しているとされています。
そのようなサイトは、契約者が亡くなった事実を知る術がなく、放置しておくと永続的に故人の口座から料金が引き落とされてしまいます。
デジタル遺品整理を行わなければ、そのような契約関係を把握することが出来ない危険性も考えられるでしょう。
専門の業者に依頼して遺品整理をするメリット
現代において、デジタル遺品整理は必ず行う必要があります。
遺族が直接行うこともできますが、専門の業者に頼むことで効果的にデジタル遺品整理が可能になるのです。
ID・パスワードなどの情報
専門の業者に依頼してデジタル遺品を整理することの最大メリットは、解読不能のIDやパスワードを解き明かすことが出来ることです。
最近のパソコンやスマートフォン、タブレットは全て複雑なパスワードが設定されているため個人での解読は困難を極めます。
また、デジタル機器の解錠をしたところで、どれだけのサイトにアクセスできるIDやパスワードを保有しているか判断するためには、さらに膨大な時間や手間がかかります。
場合によっては早急な解読が求められる場合もあるため、専門家に頼るのがおすすめです。
見たくないものは見ないことも出来る
自分でデジタル遺品の仕分けを行えば、場合によっては「知らなければよかった」と思ってしまうようなデータに巡り合うこともあるかもしれません。
しかし、そのような危険性は専門家に依頼すれば回避することが可能とされています。
また、直接関係なくとも、故人の立場からすると家族に知られることで邪推されたくないデータを保有している場合もあります。
故人も遺族もどちらのプライバシーも守るためには、第三者である専門の業者に依頼することがベストと言えるでしょう。
目に見えない遺品も大切に扱うこと

デジタル機器が普及する我々の生活において、目に見えるものだけが故人の生きた証とは限りません。
専門家や家族の手を借りながら、時間を掛けてでもデジタル遺品を整理することは大切な手続きになるのではないでしょうか。