新しい葬儀のかたちを知ろう

自由葬とその種類について 自由葬とその種類について

近年、親しい人だけで行う家族葬や故人の好みを優先した自由葬が話題を呼んでいます。
形式にこだわるのではなく、故人を偲び最後の時間を過ごすといった考え方が共感を集めているのでしょう。それぞれの葬式を行う場合の特徴や流れ・気を付けておきたいことなどを調べましたので葬儀の形式に迷ったら参考にしてみましょう。

自由葬

自由葬とは特定の宗教・宗派の作法を執り行なう葬儀を指します。その名の通り、自由度が高く、故人の意向を最大限取り入れることが可能です。
しかし、自由葬は親族や参列者からの理解を得られない場合や、自由度が高い分事前に葬儀内容を細かく決めておく必要があります。

音楽葬

音楽葬のイメージ

大まかには音楽を取り入れた葬式を指します。葬儀の最中に故人が好きであった音楽を流したり、実際に生演奏を取り入れたりなど好きなように執り行うことが可能です。
また、音楽葬は無宗教の場合もありますが故人の信仰によって異なります。通夜・葬儀も通常通り行い、黙とうや着席・退席など場面に応じてBGMとして音楽が演奏される葬儀が多いです。一般的な音楽葬の流れを見ていきましょう。

・演奏
・遺族入場
・開式の辞
・黙とう
・弔電の紹介
・参列者の焼香や献花
・喪主挨拶
・閉式の辞
・演奏
・出棺

また、人気なジャンルはクラシック音楽ですが、故人の好きだった曲や母校の校歌を使用したり葬儀用に作られたBGMを使用したり楽曲の選択は様々なようです。以下は良く使用される楽曲なので押さえておきましょう。

クラシック曲
・カノン(パッフェルベル)
・アヴェ・マリア(シューベルト)
・亡き王女のためのパヴァーヌ(ラヴェル)
・G線上のアリア(バッハ)

洋楽曲
・アメイジンググレイス(ジョン・ニュートン)
・オーバー・ザ・レインボー(ハロルド・アーレイン)
・星に願いを(リー・ハーライン)

邦楽曲
・時代(中島みゆき)
・見上げてごらん夜の星を(坂本九)
・いい日旅たち(山口百恵)

音楽好きの人にはもってこいの葬儀だと思いますが、斎場選びには気を付けましょう。音楽を流すことが出来なかったり、音楽葬を受け付けていなかったりするケースもありますので葬儀社の担当者とよく話し合って決めるべきです。

お別れ会(偲ぶ会)

お別れ会でパーティーを開く様子

お別れ会(偲ぶ会)は葬儀を家族や近親者で行ったあと、日を改めて故人とゆかりのあった人達に感謝の気持ちを伝える場として用意される葬儀です。
お別れ会に決まりはありませんが多くは「セレモニー式・パーティー式・セット式」の3つが主な形式になります。

セレモニー式 宗教的な儀式が行われる。通常の告別式のような進行で最後に献花をする。
パーティー式 弔礼や献花のあと、出席者で会食を行う。
セット式 セレモニーとパーティーを組み合わせたもの。告別式を行い、その後会食を行う。

有名人や著名の人が行うイメージが強くありますが、一般の人にも数名~数百名といった幅広い規模で執り行われています。近年は「葬儀は身内で済ませたいが、お世話になった人たちへの感謝も別でやりたい」といった要望が増えたことを背景に、普及し始めているようです。

生前葬

生前に感謝を伝える「生前葬」

本人が生前に行う葬儀の事を生前葬と言います。
生きているうちにお世話になった人や親しい人へ直接感謝を伝えてお別れを告げることできます。生前葬を行うに伴って、財産や土地、お墓の準備など残された家族が死後困らないようにと生前整理をする人も多くいます。
最近では大物有名人も生前葬を行い、一つのお別れの仕方として定着しつつあるようです。

生前葬を行った芸能人(略称)
・赤塚不二夫
・テリー伊藤
・ビートたけし
・SMAP
・桑田佳祐
・アントニオ猪木
・中尾彬

しかし生前に葬儀を行ったからといって亡くなった際に火葬をする必要がありますので、費用が多くかかってしまうデメリットもあります。
また、生前葬はまだ一般的ではありませんので抵抗感があったり、理解を示さなかったりする人もいます。

オーダーメイド葬

オーダーメイド葬についてプランを立てているイメージ画像

オーダーメイドで行われる自由な葬式の事です。宗教ごとの葬儀の形式よりも故人や遺族の意志を反映させ「その人らしい」お別れをすることに重点が置かれます。
例えば、ピンクが大好きだった故人の為にかわいらしく斎場を飾り付けし、料理は洋風に仕上げたり、祭壇を生前の趣味であった釣りにちなんだ飾り付けにしたりとバリエーションに富んでいます。中には斎場を利用せず、思い出の場所だったライブハウスやレストランで葬儀を行うケースもあるようです。

最近ではオーダーメイド葬を取り扱う葬儀社も増え、遺族と相談しながら企画を決めていく形になりますので、業者との相性も大切です。

また、葬儀社によってはある程度プランが提示されている中でオプションとしてサービスを追加していく形式もあるようです。まずは葬儀社を選ぶ際に希望の葬式が可能かどうか、その見積もりを確認しておきましょう。

家族葬という選択肢も

家族葬で穏やかに見送るかたちも

家族葬はこれといった定義はなく、家族や親しい友人のみで執り行う一般葬の縮小版のようなものである場合が多いです。最近では約4割の人が自分の亡くなった際に希望する葬儀として選択しています。故人とゆっくりお別れをしたい・身内だけで穏やかに執り行いたいという人に向いています。
葬儀は一般葬と変わらず通夜→葬儀→告別式といった流れが多いですが、一般葬と比べ参列者が少ない分、所要時間が短くなる傾向にあるようです。
また、家族葬を行う際の注意点として葬儀後に訃報を知った故人の知り合いへの対応や、親族間でのトラブルにつながる場合もあります。故人の繋がりと社会的立場を考慮してから決めましょう。

生前に本人の意思確認

葬儀について話し合う夫婦

形式にとらわれず、良いお別れをしたい気持ちを叶えてくれる「自由葬」。
一般の葬儀よりも配慮しなくてはならない事や課題は多くありますが、その分満足度が高いものとなるでしょう。まずは本人の気持ちを大切にして、生前近親者で話し合いをするのが好ましいです。また、葬儀社は希望の葬へ理解や実績があるかを優先して選びましょう。