家族葬での通夜はどう行う?

家族葬での通夜をイメージした画像 家族葬での通夜をイメージした画像

身内や近親者のみで執り行う家族葬は、定められたルールがありません。比較的自由度の高い葬儀を行える分、参列者に混乱招く原因となることもあります。
今回は遺族側の視点を中心に家族葬の通夜で必要な連絡と実際の流れについて紹介します。

まずは連絡を

親族に連絡をする喪主

通夜に参列してもらう方への連絡は電話のみで構いません。事前に参列してもらう人を決めておく必要がありますが、準備が出来ていなかった場合は故人に近い人物と相談して連絡をしましょう。
また、参列者以外の方たちへ訃報と参列を断る通知をはがきで出しておきましょう
はがきを出す際には以下の5つを伝えます。近所と付き合いが深い場合は、直接訪問し家族葬の旨を伝えるとスムーズです。

伝えること

・故人の名前
・亡くなった日時
・死因
・参列を断る旨
・自分の住所と名前

例文

謹啓

父 ○○○○(故人の名前)儀 天寿を全ういたし
去る〇月〇日に逝去致しましたのでご連絡申し上げます。

故人の遺志により
葬儀は家族、近親者のみで執り行うことに致します。

まことに勝手ながらご会葬やご香典、ご弔電、お供花などはご辞退させていただきたくお願い申し上げます。

生前のご厚情に心より御礼申し上げます。

謹白

○○市○○区○-○-○(住所)
○○○○(喪主の名前)

通夜の流れ

通夜は以前、夜通しで行われていましたがライフスタイルの変化に伴い、1時間から2時間ほどで終了します。大体18時頃から執り行われることが多いようです。

通夜の準備
供花・供物が誰から送られてきたのか、またその順番を確認します。
通夜の案内や受付・会計・返礼品を渡す世話役を決めておきましょう。
当日受付
通夜が行われる30分前には受付を始めましょう。芳名帳へ記帳をしていただき香典がある場合は受け取って管理をします。
僧侶入場
僧侶が入場する前に着席しておきましょう。
席順は祭壇に向かって前列が上座にあたりますので、遺族は前の方に座ります。右側が親族席になり、喪主を筆頭に血縁の濃い順番で並んでください。
読経、焼香
読経は30分ほどかかります。参列者が多い場合は読経の間に焼香を済ませることもあります。そのあと席順通りに焼香が始まります。喪主は一番始めとなるので間違えないようにしましょう。
通夜振る舞い
参列者区に対して料理を振舞うことを通夜振る舞いと言います。開式・閉式のタイミングで参列者に対するお礼を述べましょう。最近では地域性や時代の流れから通夜振る舞いを簡略化するケースもあります。

覚えておきたいマナー

葬儀のマナーを復習

参列する際や遺族側のマナーを覚えておきましょう。特に喪主の方は責任ある立場にあるのでいざという時に慌てず、恥をかかないようにしておくことが大切です。

焼香

焼香は座って行う座礼と立ったまま行う立礼があります。自宅や寺院では座礼、斎場では立礼が多いようです。順番は喪主→遺族→参列者と近縁者から行われます。また、焼香の回数は宗派によって異なりますので以下の表を参考にしてみてください。

宗派 回数
天台宗 3回
真言宗 3回
浄土宗 決まり無し
浄土真宗本願寺派 押しいただかずに1回
浄土真宗大谷派 押しいただかずに2回
臨済宗 1回目は押しいただき
2回目はそのまま落とす
曹洞宗 1回目は押しいただき
2回目はそのまま落とす
日蓮宗 得に決まりはないが多くは3回
日蓮正宗 3回

香典

香典は念の為持参しよう

香典は通夜か告別式どちらかに持参するのが一般的です。両方に参列する場合は通夜に持参するようですが、決まりはありません。
家族葬を行う場合、香典を断る事が多くあります。遺族側は事前に香典・供花・弔電について伝えておいた方が親切です。参列者から香典を渡された場合は何度か丁重に断り、それでももらってほしいと言われたら頂きましょう。
参列者は香典不要との連絡があっても、実際は受け取っているケースもありますので念のため持参し、その場の流れに合わせた対応をしましょう。

身だしなみにも気を付けて

葬儀前に身だしなみを整える人

通夜・葬儀・告別式共に持ち物と服装は同じで構いません。一度さらっておくことで、忘れ物やマナー違反を防ぎましょう。

持ち物

葬儀の場では忘れ物がないように事前に確かめてから行きましょう。また、香水は控えめにし、スマホや携帯電話の着信音がならないようにするなどマナーにも気を配っておきましょう。

・袱紗(ふくさ)
弔事の場合に使用する色は寒色系です。紫は慶事にも使えます。素材・柄については派手なものでなければ自由に選んで構いません。

葬儀に使用できる袱紗の色

・数珠
数珠は宗派によって異なるので、自分の宗派に合わせて選びます。また、宗派にこだわりなく使える略式の数珠も売られています。葬儀ではほとんどの人が持っていますが、必ず必要なわけではありません。

・ハンカチ
白か地味な色で控えめなデザインのものを選んでください。男性は比較的手ぶらでの参列なのでスーツのポケットに入れておくと良いでしょう。

・傘
突然の悪天候に備えましょう。黒・紺色など落ち着いた色のものにしてください。

服装

葬儀で和装を着る女性

喪服には聖喪服・準喪服・略礼装と3種類あり、近年では男性の場合略礼装を着る参列者がほとんどです。喪主や遺族の場合は聖喪服または準喪服を選びましょう。

聖喪服 男性 和装
モーニングコート
もっとも格式高い。 葬儀や告別式で喪主や親族が着る
女性 和装
ブラックフォーマル
準喪服 男性 ブラックスーツ 一般的な喪服。一般参列者または遺族が着用する。
女性 ブラックフォーマル
略喪服 男性 ダークスーツ 三回忌以降の法事やお通夜へ参列する際に着用。
女性 ワンピース・スーツ・アンサンブル
学生 制服・リクルートスーツ

家族葬は通夜を省略する場合も

家族葬は家族や親族などの身近な人たちだけで執り行うこともあり、通夜自体を省く場合もあります。一番の理由は葬儀の費用を抑えることですが、参列者の都合や負担を軽減するためといった配慮も背景にあるようです。通夜の有無についてはよく周囲で話し合っておく必要があるでしょう。