知っておくと役立つ火葬の知識


葬儀が終わりますと、いよいよご遺体の「火葬」に移ります。
基本的には葬儀社が全て段取りしてくれるため特段覚えておく必要はありませんが、滞りなく進めるためにも、最低限の知識は身に付けておきましょう。
火葬には許可が必要

日本では、勝手に遺体を燃やす事はできませんので、許可を取る必要があります。(詳しくは「死亡時に行う手続」をご参考ください。)
死亡届に死亡診断書を添えて提出することで火葬許可証が発行されますが、基本的にこれらの手続は全て葬儀社が代行してくれますので、自身で行うケースは少ないでしょう。
なお、蘇生の可能性があるため死亡後24時間が経過しなければ許可が下りませんので、直ぐに手続を行うと不許可になってしまう可能性がありますのでご注意ください。
読経及び焼香

火葬許可を火葬場に提出しますと、いよいよ出棺です。
喪主の挨拶、お焼香、読経等が終わりますと、ご遺体は火葬炉へと納められ、火葬に付されます。肉体と触れ合える最後の機会となりますので「感謝の気持ち」「成仏への願い」等をしっかりと故人へと伝えた上でお別れしましょう。
なお、火葬炉周辺が寒い場合でも式の最中には上着を脱ぐのがマナーです。
火葬に要する時間と過ごし方

火葬には40分~2時間ほど掛かりますので、参列者間で簡単な食事を行うのが一般的です。
食事がプランに含まれている、出前を頼む、持ち込み等、様々なケースが考えられますが、火葬場によって取り扱いが異なりますので、事前に確認するようにしてください。
火葬式による葬儀が増加

火葬式(又は直葬)とは、通夜や告別式・葬儀を行わず、火葬場にて簡易のお別れ会を行う形のお葬式で、故人に身寄りが居ない・他社との交流が無かった等に採られることが多いです。利点としてはやはり費用が非常に安い(10万円~)という点で、予算の確保が難しいというケースにも適しています。
特に都会の場合ですと単身世帯が増加しているため、需要が高くなりつつあるお葬式です。
「献体」の場合は火葬費が不要
献体とは解剖の実習教材として遺体を提供することです。
「学術の発展のために」と、生前故人が希望していた場合に行われるもので、葬儀の後に直接大学病院等に搬送され、解剖実験後に火葬されます。
そのため、遺骨が遺族の元に帰るのは2~3年後になります。
詳しい制度については以下をご確認ください。
収骨の方式

収骨(又は骨上げ)とは、遺骨を拾い骨壺へと移す儀式で、近親者や生前親しかった友人等の限られた人だけで行われます。
遺骨は生前の身体の形をなぞる形で下部から順番に(足⇒腰⇒背⇒腕⇒胸⇒喉等)収めていき、最後に頭部のお骨を被せて完了します。
なお、地域によって骨の全てを収める場合と、一部のみを収める場合がありますので、ご注意ください。(関東は全て、関西は一部という習慣があります。)
分骨について
手元に遺骨を置いて供養したい、離れて暮らしている親族が共に供養したい等の理由から、遺骨を分けるというケースもあります。
こちらを「分骨」と呼び、文字通り遺骨を複数の骨壺に収めた上で、親族各々が各自に納骨又は保管します。
分骨については法律上禁止事項がありませんが、納骨する場合にはその数だけ「火葬証明」「埋葬許可」等が必要になりますので、火葬場で人数分確保しておきましょう。
既に納骨済の場合には、各管理寺や市区町村によって取り扱いが異なるため、事前に確認するようにしてください。