家族葬における葬儀の流れ

家族葬の流れを説明 家族葬の流れを説明

親しい身内だけで慎ましやかに行う家族葬ですが、その規定やルールが曖昧な分、参列者の混乱を招いたり、親族での揉め事に発展してしまったりする恐れもあります。
一般的な葬儀の形式や流れを紹介しながら、どのような家族葬を行うのが良いのか検討してみましょう。

危篤・臨終

危篤・臨終時の連絡や対応について

いきなりの危篤や臨終で気が動転することもあります。
そんなときでも、遺族はやらなくてはいけないことも多く、混乱するかもしれません。まずは身近な人に連絡を取り、要件を簡潔に伝えましょう
会社に勤めている方や学生は忌引き休暇を申請したり、会社や学校へ連絡を入れたりする必要があります。危篤時と臨終での対応は異なりますのでどちらの場合でも対処できるようにしておくと良いかもしれません。

エンゼルケア

エンゼルケアを行う看護師

エンゼルケアとは、亡くなった後、遺体の衛生を保全しメイクを施すケアの事です。病院で亡くなった場合は看護師が行いますが、近年では看取りを行う福祉施設の介護職員も施術をすることがあります。
従来は遺体の汚染を防ぐ目的が大きかったケアですが、近年は遺族の悲しみを癒す目的で行われることが多くなりました。また、日本では文献や研修の少なさからまだ充実したケアが出来ているとは言い難いところもあり今後の課題をどう対処していくかが重要になりそうです。

遺体安置

遺体安置施設のイメージ

病院にて死亡が確認された後、遺体はどこかで安置する必要があります。安置場所として、病院や自宅・専門施設などがありますが東京では数が不足している現状があります。そのため、「遺体ホテル」と呼ばれる民間の安置施設の需要が拡大しているようです。
搬送は一般の人も可能ですが、死後硬直が始まっている遺体を運ぶのは注意点も多く、特別事情がない限り専門業者に頼んだ方が安全策です。

葬儀会社手配

故人に手を合わせる葬儀社スタッフ

葬儀社の手配は、なるべく早めで冷静な判断が出来るうちに行うと良いでしょう。気持ちの整理がつかないかもしれませんが、危篤状態になってしまったら葬儀社に一報を入れるとスムーズです。
対応が遅くなるほど、気持ちに焦りが生じ、相場よりも高い料金を提示している悪徳葬儀社を利用してしまうことになるかもしれません。
また、葬儀社を手配する時は葬儀費用の確保・福利厚生の有無・互助会を使うか否かなどを落ち着いて確認するのがベストといえるでしょう。

納棺

棺に納められた遺体

棺に遺体を納める行為を納棺といいます。棺へ納めるタイミングはケースバイケースになりますので、事前に葬儀社とよく話し合いましょう
また、納棺では宗教的な儀式や地域の風習を行います。主に死に水(しにみず)・湯潅(ゆかん)・エンゼルケア・着付けなどが該当します。
また、副葬品は故人の思い出の品を入れるケースが多くありますが、燃えないものやスプレー・ライターなどは焼却できないのでNGです。

通夜

家族葬の通夜の段取りを説明

家族葬で行う通夜の流れを把握しておきましょう。
連絡は電話で構いませんので参列してもらう方へ簡潔に伝える必要があります。参列者以外の方には訃報と参列を断る旨のはがきを出します。
通夜は従来、夜通しで故人を弔っていましたが、最近は生活の変化に伴って1~2時間程度で終了するようです。また、家族葬では通夜を省略するケースもありますが、どのような場合でも親族や家族で納得のいく式にすることが大切です。

葬儀・告別式

葬儀で飾られた花

通夜を終えたら、翌日葬儀と告別式が行われます。葬儀と告別式は儀式の目的が違うため以前は別々に執り行っていましたが、最近は2つを区別しないことが多いようです。
また、出棺時や精進落としの際には喪主から挨拶をするのが一般的でありますが、なかなかその場で思いついたままに話すというのは出来ないものです。このページで例文を紹介していますので参考して事前に考えておきましょう。

火葬・収骨

火葬を行う斎場

火葬の事務的な手続きは葬儀社が行いますので特に心配することはありません。
火葬の前の出棺では僧侶による読経と焼香が行われますが、この時上着を脱ぐのがマナーです。最近では金銭的な負担を軽減するため、火葬のみ行う火葬式という葬儀のかたちをとる人が増えています。
収骨の際は遺骨を拾い骨壺へと移します。地域によって部分的な収骨にするのか・全収骨なのか差がありますので親族や葬儀社に確認しておきましょう。

納骨・四十九日

納骨後、お墓に手を合わせる少女

葬儀や火葬が終わったら納骨をします。納骨時期は仏教の教えのもとに四十九日以降に行います。納骨時には埋葬許可証・印鑑・お供え物を忘れず持っていきましょう。その際、招待する親族は特に決まりがありませんが一般的に3~4親等までを招待するようです。また、生前お世話になっていた近所の人や友人を招いても問題ありませんので、故人の気持ちを想定して呼びましょう。

一般的な葬儀を踏まえて考える

大切な人が亡くなれば、それだけ悲しみを大きいものです。だからこそ、遺族が死を受け入れ、故人の成仏を願う場として様々な宗教的儀式が行われるんだということがご理解いただけたと思います。
どのような家族葬にするのか、一般的な流れを踏まえつつ具体性を持って決めていきましょう。