増える悪徳業者

悪徳葬儀社のスタッフ 悪徳葬儀社のスタッフ

どのような事業にも「悪徳業者」は存在しており、葬儀に於いてもそれは例外ではありません。
2018年の出生数が92万人であったのに対し死亡者は136万人という本格的な「少子高齢化」を迎えている日本に於いて、葬儀に対するリテラシーは非常に重要です。
騙されないためにも、まずは悪徳業者の手口について知っておきましょう。

粗悪な葬儀社が多い理由

悪徳葬儀社が増える理由

日本は、国民の健康や生活を守るため、さまざまなシーンで規制を設けています。
例えば、車を運転するには特定の試験場で運転方法を学び免許を取得せねばなりませんし、人の病気を診断する又は然るべき薬を処方するには医師免許が必要になります。
企業も同様に、不動産業を営むのであれば「宅建業許可」、建設業なら「建設業許可」といった形で特別な許可を取得せねばなりません。

一方、葬儀業の場合、このような特別な資格や許可は不要で開業することが可能で、何かトラブルがあったとしても行政から処分(許可停止や許可取り消し)を受ける事がなく、現在では4~5千社にまで増加していると考えられています。 もちろんそのほとんどが健全な営業を行う業者なのですが、葬儀社の総数が増えたことで悪徳業者も比例して増えてしまったのが現実です。

悪徳葬儀社の手口

悪徳葬儀社はあの手この手で遺族から多くのお金を引き出そうとします。
具体的には以下のような手口が報告されておりますので、利用の際にはご注意ください。

条件付きの契約
利用者を巧みにだます悪徳葬儀社

条件付き契約とは、
「入会すれば50%オフになります」
「お墓も併せて購入していただければ両方30%オフです」
といった内容の契約のことをいいます。

普通に値下げされるよりも特別に感じてしまうため契約してしまう方が多く、葬儀に於いても良く見られる悪徳商法です。実際は、初めに2~3倍の額を提示し、割引によって定価前後にまで下げるので、悪徳業者は丸儲け出来る仕組みとなっています。
“○○すれば~”という条件を出された際にはくれぐれも注意しましょう。

オプション商法
オプション商法で多額な葬儀費用を請求する

オプション商法とは、低い基本料金のみを提示し後に追加料金を請求する悪徳商法です。
もちろんお互いが納得の上で結ばれた契約であれば問題ありませんが、実際には「追加費用一切ナシ」「どこよりも安く」といった謳い文句で顧客を誘引し、相手方が理解していないまま契約してしまうケースがほとんどです。
なお、“イオンのお葬式”で知られているイオンライフ株式会社がホームページ上にて「追加料金不要」との記載があったとして消費者庁より2017年12月に是正勧告を受けており、翌年の2018年12月には“小さなお葬式”を運営する株式会社ユニクエストが同様の理由で勧告を受けています。※いずれも現在は是正済です。

詳しくは「消費者庁:景品表示法関連報道発表資料」をご確認ください。

葬儀社・寺院・墓石販売店がグル
葬儀社と寺院が裏で手を結んでいる様子

葬儀社をはじめとして、寺院・墓石販売店は人の「死」に携わる仕事として密接な関係にあります。基本的はそれぞれが独立した事業なのですが、催事の中で関わり合いになることも多く、三者は切っても切れない関係にあるのです。
なお、人が亡くなった時、はじめに相談を受ける事が多いのはダントツで「葬儀社」であるため、葬儀の打ち合わせの中で寺院や墓石販売店等も併せて紹介してもらうケースが非常に多いと考えられます。もちろん、紹介してもらうだけなのであれば問題ありませんが、葬儀代金の中に「紹介料」と称し別途費用を請求する葬儀社も少なくありません。
さらに、悪徳葬儀社の場合ですと寺院からもバックマージンを得ていたり、希望する宗派のとは違う寺院に依頼したりといった悪質な営業を行っているケースもあるようです。

信頼性・料金をしっかり比較

小規模な葬儀社がNGというわけではありませんが、新しく事業をはじめたばかりですとサービスの質が悪く、料金も割高になりやすい傾向にあります。
信頼性の高い地元の葬儀社にお願いするのももちろん問題ありませんが、当該葬儀社のみよりも多数の葬儀社に相談した方がプラン・料金等の選択肢がさらに広がります。
悪質業者の手口を知り、予め被害を回避するのも重要ですが、複数社に見積りを依頼すること・比較する事も予防法として非常に有効です。