見積りが不透明な場合


費用を明確にするため、他社との比較を行うため、契約前の「見積り」は非常に重要な役割を担っています。
しかしながら、冠婚葬祭の催事サービスについては、費用内訳が明確に示されていないケースが(所謂「一式」「基本料金」等)多く、度々トラブルとなっています。
見積書内の見るべきポイントや不明確な場合の対処法について解説したいと思います。
見積りの例
葬儀の見積書は概ね以下のような内容が記載されています。
【見積書の例】※青色部分が葬儀一式費用の内訳例
名称 | 数量 | 価格(税込) |
---|---|---|
祭壇(白木祭壇) | 1個 | 500,000円 |
祭壇花(親族一同花含む) | 一式 | 50,000円 |
遺影写真(額縁含む) | 1個 | 30,000円 |
お別れ花 | 1束 | 20,000円 |
御棺(布張棺) | 1個 | 100,000円 |
エンバーミング | 1回 | 150,000円 |
ドライアイス | 10kg | 10,000円 |
骨壺 | 1個 | 10,000円 |
霊柩車(自宅-斎場) | 10km | 35,000円 |
バスレンタル費 | 10km | 50,000円 |
御礼状費 | 100枚 | 30,000円 |
合計985,000円 |
上記は「葬儀一式」の一般的な内訳例になりますが、数量によっては変動する費用もあります。例えば、ドライアイスはkg数に応じて変動しますし、霊柩車やバスのレンタル費用は距離に応じて変わっていきます。
また、祭壇や棺は使用する木材によって大きく費用が異なりますので、見積りの段階でしっかりと話し合っておくべき事項です。
見積りで削れる費用も

仮に、
①「葬儀費用一式…100万円」
②「内訳15項目…合計100万円」(上記のような記載方法)
という2つの見積りがあるとしたら、一体どちらの方が良いのでしょうか。
①は“全体の費用”が分かりやすく、②は“個別の費用”が明確と、それぞれにメリットがありますが、結論から申し上げますと②の方が見積書としては優秀です。
“色々書いてあってよく分からない”と思うかもしれませんが、逆に考えれば「カットできる費用」が分かりやすく、一つ一つの費用を確認した上で契約が出来るためです。
また、①の場合ですと個別にどのくらいの費用が掛かるのか、どのような業務にどのくらいの費用を割り当てているのかが不明ですので、見積り内容としては不透明であると言わざるを得ません。
削れる箇所も実は多い
棺代や祭壇については「どのような素材を使用するか」によって費用が大きく変動しますので、出来るだけ安く行いたい、特別な拘りが無い、といった事情があれば変更して貰うと良いでしょう。
また、遺影写真については街の写真屋さんにお願いすれば数千円で済みますし、親族用の移動は遺族が車を所有していれば自身で行うことも可能です。
損をしない為にも、内訳はしっかりと確認しておくことが望ましいです。
家族葬はオーダー内容次第

小規模に執り行うお葬式の筆頭として挙げられる「家族葬」は、原則として斎場のレンタル費用やそれに伴い供花・車代・食事代が少額で済むという特徴があります。さらに、自由度が高いのも家族葬の特徴であり、故人や遺族の希望に沿った形の葬儀を行うことが可能です。しかしながら、自由度が高い反面で、オーダーの内容次第では一般葬と同等の費用が掛かってしまう可能性も十分にあります。
葬儀社に予算や希望内容を事前にしっかりと伝えた上で見積りをお願いしましょう。
家族葬(オーダー葬)に強い葬儀社を選ぶことも重要です。
内訳は必ず貰いましょう
葬儀社によっては、内訳はおろか見積書すら用意されていないことがあります。
口頭でのやり取りはトラブルの元となりますので、必ず内容を明記された見積書を用意して貰うようにしてください。
また、気になる点はしっかりと内容を確認する、削れる箇所については削るといった措置を講じるように心掛けましょう。