事前準備で不安を解消


大切な人が突然亡くなってしまったとき、悲しい気持ちや動揺を隠し切れないでしょう。そんなとき、葬儀社はどこにするか・安置場所はどうするか、などなどやらなくてはいけない事は意外にたくさんあります。
まだ先の事だから大丈夫と思わずに、あらかじめ葬儀の想定をしておく事で最後の時間をゆっくり過ごすことが出来るでしょう。親族が事前にやっておきたい準備や決めておきたいことを紹介します。
では、具体的に何をしておけばいいのでしょうか?
今回はポイントを7つに分け順番に説明します。葬儀社のスタッフや家族と相談しながら決めていくと良いでしょう。
①喪主

一般的な慣習では喪主を決める際、故人の遺言が最優先されます。
次に配偶者→長男→次男以降の男子→長女→長女以降の女子→故人の両親→故人の兄弟姉妹といった優先順位があります。
喪主になった方を中心に葬儀の一通りを決め、参列者への挨拶や寺院への連絡を任されますが、兄弟や家族と協力して1人で背負い過ぎないように役割を分担しましょう。
優先順位 | 続柄 |
---|---|
1 | 長男 |
2 | 次男以降直系の男子 |
3 | 長女 |
4 | 長女以降直系の女子 |
5 | 故人の両親 |
6 | 故人の兄弟姉妹 |
②宗教・宗派

正式な家の宗教・宗派を覚えておきましょう。
日本では葬式の9割が仏式でありますが宗派によって作法が異なります。もし間違った宗派で戒名を付けてしまうと、最悪お墓に入れてもらえないなんてこともありますので注意しましょう。
③葬儀の形式

現在では一般葬と呼ばれる葬儀が主流となっていますが、信仰する宗教や宗派、個人の意向によって様々な種類が存在します。
現在では一般葬をシンプルにした家族葬も需要を拡大しており、生前親しくしていた身内だけでゆっくりとお見送りが出来ます。以下は一般的な葬儀の形式になります。
- 一般葬
- 遺族・親族以外の親しい方や職場関係者・近隣住民など多くの人に参列してもらう。家族には面識のない参列者もいるため、負担が大きくなることもある。
- 社葬
- 魏業の経費で執り行われる。社員が殉職した際や会社代表者が亡くなった時に会社全体で行う。遺族と合同で行う場合や複数の会社が施主となるときには合同葬と呼ぶ。
- 家族葬式
- 家族や親族、親しかった友人を集め小規模で行う葬儀。一般葬を小さくしたイメージ。葬儀の内容も自由度が高く、遺族の負担が少ない。
- 密葬
- 周囲に死去したことを伏せて行う葬儀。後日本葬を正式に執り行うことが前提とされている。
- 一日葬
- 通夜を簡略化し、告別式から火葬までを一日で行う葬儀。家族葬と一日葬を併用して行うケースも多い。
- 直葬
- 通夜や葬儀・告別式を行わず火葬だけで終える葬儀。大幅に費用を抑えることが出来るが、周囲の理解度がネックとなる。
④葬儀社

葬儀社を決めるときには対応の良さや費用・設備等を数社比較しましょう。
また、事前に見積もりをもらっておくことも忘れずに。こちらの要望を聞いてくれる葬儀社を選びましょう。
⑤葬儀の規模と予算

葬儀には、葬儀以外にも費用が掛かり見積よりも多く出費してしまった…なんてことになるかもしれません。費用は葬儀自体にかかるお金以外にもお布施代や通夜で出す料理代なども考慮して考えるべきです。
- 予算
- 葬儀一式+料理+寺院への費用=総葬儀費用
日本での葬儀平均予算は日本での葬儀平均予算は約196万円とデータが出ています(別ページ参照)が、地域格差が大きく参考になるような数字ではありません。予算を考えるときにはまず内訳をし、どれくらいの人数でやるのか、それぞれいくらかかりそうなのか参拝者の人数を踏まえて計算すると良いでしょう。
通夜からの飲食接待費 | 30.6 |
---|---|
寺院への費用 | 47.3 |
葬儀一式費用 | 121.4 |
葬儀費用の合計 | 195.7 |
※単位:万円
⑥安置場所

病院で亡くなった場合、なるべく早く安置場所へ移動させなくてはいけません。
自宅以外の安置場所は民間の安置施設・斎場・会場などがあります。自宅に搬送する方は、棺が入るスペースがあるのかを事前に確認し、冷房を効かせておきましょう。
どの場合でも搬送費用はどれくらいか・葬儀までの日程を考慮して考えておくのがベストです。
⑦納骨場所

家族や先祖代々のお墓がある場合は、一緒に納骨される可能性が高いです。お墓を立てずに共同墓への埋葬や納骨堂での収蔵、最近では手元供養と呼ばれる遺骨をペンダントサイズの小さな入れ物に保管する方法も注目されています。
また、海に散骨を行ったり樹木を墓石の代わりにしたり様々な手段がありますので一度調べてみましょう。
早い段階で話し合いを
家族が集まれるときになるべく早く話し合いましょう。
本人の意思の確認がとりづらい場合は、一番親しい人が元締めとなり話を進めてはいかがでしょうか。葬儀の予算や、安置場所などは葬儀社のスタッフを交えて相談に乗ってもらいながら、最終的に親族で決めるという方法が良いでしょう。また、上記のポイントは必要最低限のものになりますので本人が気になることは事前に確認しておいてください。